令和五年二月 異世界・教会・坂・鯨

リバーサルフィルムの現像がなかなか終わらず首を長くして待っている。
現像に出したのは3週間以上前。リバーサルフィルムを使ったのは初めて。
現像に時間を要するのは知っていたけどここまで時間がかかるとは。

旅に行ったり発熱して週末を台無しにしたりバンドのレコーディングをしているうちに今月も終わり。

 

九州初上陸

今月は久しぶりに会う友達と旅行に行った。
初九州。2泊3日で長崎と福岡を訪れた。
長崎では運良く軍艦島に上陸できた。f:id:film_filament:20230228185347j:image

長崎市の街並みはとても気に入った。教会や坂ばかりの風景。港には艦隊。見慣れない風景でよく似た異世界に来たみたいだった。
日本はどこに行っても日本だな、と旅行や移動の度に思っていたけれど長崎は少し違っていたな。
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メイジヤというお店で食べたトルコライスはめちゃウマだった。また食べたい。

2日目の夕方に福岡に移動して1泊。雨だった。
屋台で美味しいものを食べたり、注射器で強いお酒を喉に噴射されたりして久しぶりにめちゃくちゃ酔った。でも何ひとつ粗相はしてないから褒めてくれ。

最終日は駅ビルでフラフラして豚骨ラーメンを食べてから空港に向かった。
街中から空港まですぐだから直前まで遊んでいられるのは最高だった。

旅行で使ったフィルムを使い切っていないのでまだ現像に出していない。
時間が経ってから旅の写真が確認できるのもいいか。

長崎到着直後の新地中華街での食事。 アナーキー食卓。

オランダ坂で見つけたトマソン。無用階段。

長崎名物。鯨の盛合わせ。

いつもなら食べないようなモチキンを博多の屋台で食べちゃったりして。

一晩過ごしてみて確かに必要だと思った。もっと推進した方がよろしい。

 

初九州はアタリばかりだった。
特に長崎はまた行きたい。

令和五年一月 バタバタぼちぼち

そこそこバタバタしている。
半ば自分の運転する車の遠心力に振り回されているような感じだけど。
個人的に実験・検証しようと取り掛かった事が思いの外、本来想定していたものよりも根が深くて時間がかかりそうだった。
別に放っておいても誰にも怒られはしないし何にもならないんだけど。
ただ気になってしまうものではあるので、めんどくせーって気持ちとどうせなら時間かけてやってみたいという気持ちがミルフィーユ状態。

少し遠くに出かけた

そんなこんなで疲れたので一日かけて少し遠くまで行ってきた。
海なし県なのでこういう時にはわざわざ他県の海に行っている。
この日は家の最寄りのサブウェイでサンドイッチを買って海辺に行ってから食べた。
到着したときには晴れているなか雪が吹き荒れていた。
写真には収められなかった。というか写真を撮らずに食事を優先した。
トイカメラを波打ち際に置いて撮影していたんだけど油断して濡らしてしまった。

フィルムも濡れてしまっただろうか。それはそれで仕上がりが楽しみである。

ゆらゆら帝国の長い曲を聴きながら夢中でシーグラスを拾ったり、時間をかけてフィルムで風景を撮り歩いた。
現像に出すのが楽しみ。いい時間だった。

よかったこと

●新たにサボテンを迎え入れた。


部屋にかわいらしい仲間が増えてハッピーである。
ホワホワのやつがずっと欲しかった。
透明なやつをもっと増やしたい。
見惚れてしまうな。

●友人夫婦に子供が生まれた。
送られてきた写真は友人にそっくりだった。
宝だね。

●幼馴染の友人がフィルムカメラを始めた。
良い知らせ。友人の作品が楽しみ。

●自作したエフェクターがとても良い音だった。
学生時代ずっと使っていたBIG MUFFを自分なりに作ってみた。
好きな色の箱で好きな音。あの頃の自分に届けてやりたい。

あの頃はフワッティーという名前を使っていた。

 

やることがたくさんある。
いや、たくさんはないかもしれないけど気持ちは分散している。
まぁ、ぼちぼちやっていくしかないかな。



令和四年十二月 旅の写真

今月は家族がおよそ11ヶ月ぶり2回目の新型コロナ陽性になったから自宅警備員の生活をちょっとした。
今回こそは自分も陽性になる気満々だったけど、何故かならなかったな。
検査をすり抜けたのかな。

 

今年は色んなところに行けた。
夏の札幌に行けたのは嬉しい。

飛行機の窓から

北大 中央ローン

円山動物園ホッキョクグマ



すすきの
フィルムで路面電車を撮れたのがとてもうれしかった。

やっぱり車体は緑が良いな

札幌の街をずっとフィルムで撮りたかった。
学生の頃は鬱々としてずっと夜の街を歩いていた。
大学院を辞める前は限界が来ていたのか覚えていることが少ない。
あの頃の大きな心の拠り所のひとつが夜の散歩だった。夜の札幌は優しい。










秋には友人と兵庫に行った。
城崎温泉は最高だった。
寝起きに立雲峡を登るのはなかなか大変だった。



今月頭には宮城に住む弟に会いに行ってきた。
仙台うみの杜水族館に一緒に行った。いいところだった。








弟は大学でやっている菌の研究のことを生物に関しては中学生レベルの自分にも色々と教えてくれた。
夜は初めて2人で居酒屋に行って酒を飲んでずっとしゃべっていた。楽しかったな。

居酒屋の赤ウインナーがめちゃ美味かった。日本酒にも合う。


カラーネガフィルムの値上がりに挫けそうになるけど、フィルムの写真はやっぱりいいな。
もう気軽にシャッターを切れるような状況じゃなくなってしまったけど、来年はより1枚1枚じっくり撮って楽しんでいきたい。

今年は重い岩をじりじりと押し続けたような1年だっかから、だいぶ疲れたよ。
楽しいこともあったけど、その楽しいことが息継ぎみたいな感じだったな。
来年はもっと楽しい年にしたい。強くなりてえ。


皆さん良いお年を。










 





ARION製 STEREO PHASER (SPH-1) 自作の記録3

ARION製のフェイザー、SPH-1製作記録の続き(最終回)

前回までの内容
 ③回路解析とレイアウト作成、基板作成
 ④ケースの加工とジャック・スイッチの配線
 ⑤テストとトラブルシューティング

film-filament.hatenablog.com

⑥音の調整・モディファイ

専門知識が全然ないド素人のやっていることです。
当たり前ですが改造などは自己責任でどうぞ。

以下のレイアウトで紫色になっている部分をいじってみた。
この紫色にした部分はソケットにしてパーツの差し替えができるようにしておくと便利。

レイアウト

R1:フィードバック量を決める抵抗。10kΩにしてみたところ、Resonanceのつまみをフルにしたあたりで発振(フィードバック)するようになった。本来であれば12kΩ。15kΩにしてみたところ、そこまで音に変化はなかったがResonanceの掛かり具合が少し優しくなった。自分は12kΩのままにしている。スイッチを設けてこの抵抗値を切り替えられるようにしておけば好きな時に発振できる。

R2:SPH-1にはエフェクトをオンにすると音量が上がるという特徴がある。自分の作った個体はモディファイの影響なのか、パーツの影響なのか、音抜けがとても良くてオンにしたときの音量の上がり方もより顕著になった。このR2の値(本来は22kΩ)を大きくすると音量の増幅が抑えられる。自分は24kΩで試してみたところあまり効果がなかったので27kΩにしてみた。ここの抵抗値を大きくしすぎるとエフェクトの効きが薄くなるらしい。

C1:入力のカップリングコンデンサ電解コンデンサからフィルムコンデンサに交換。容量的にフィルムコンデンサでいいと思う。電解コンデンサを使用するメリットがないように思える。自分は秋月電子で買った黄色いボックス型のフィルムコンデンサにしている。容量はそのまま。

C2:0.22µFの電解コンデンサはなかなか見つからないかもしれない。ここを1µFのタンタルコンデンサにする人もいるらしい。タンタルを使ってみたところプレゼンス域が出るというか、ちょっとキンキンする感じだったので自分はそのままにしておいた。1µFの電解コンデンサも試してみたけれど0.22µFとの違いがよく分からなかった。タンタルは高いし、0.22µFはあまり見つからないかもしれないので1µFの電解コンデンサでもいいように思える。

C3:出力のカップリングコンデンサ。ここの容量を大きくすると低音が出やすくなる。(入力のカップリングコンデンサで低域が削られていたら意味ない……??)自分の作った個体は高音寄りの音で少し低音が足りなかったので、自分は本来1µFのところを10µFにした。ちょうどよくなった気がする。プラシーボかもしれないけど。

4.7k* , 222**:ここを除去することで高域が出やすくなる(?)らしい。たぶんここのコンデンサ(222)の値を大きくすれば音がこもるように、小さくすればぬけるようになるんだと思う。4.7kΩの抵抗については、222のコンデンサを除去してしまえば無駄になる。自分は4.7kΩも222も除去してある。

IC1~4:自分は4580DDを使用している。4558とかTL072が一般的だと思う。自分はJCR4558D、TL072Lを試してみたけれど、Resonanceの効き方に若干違いが出たものの、音はほぼ違いがなかった気がする。
(これに関してはアンプを通さずオーディオインターフェース+ヘッドホン、モニタースピーカでの試聴)

その他:OUTの10kΩを可変抵抗器に変更(Volumeを追加)する人もいる。

以上のモディファイ等を盛り込んでから最終的な音の調整を行った。
調整はルーパーで音を流しながらバイアスの半固定抵抗をいじってエフェクトが一番深くかかるところを探る作業。ツマミ3つ全部をフルにして音が一番プクプクする位置を見つけた後、ツマミ3つ全部を12時にしてまた微調整した。エフェクトが深くかかる部分は結構ピンポイントだから、ここの半固定抵抗は外に出さず触れないようにしておいた方がいい。これを外に出すメリットは無し。
ちなみにこのバイアスの設定によってはエフェクト音が歪んだり、ただのブースターみたいになったりする。


⑦組み込み

配線をすべてはんだ付けして組み込み。汚い。
何箇所も修正をしたのでハンダ面は汚いしボロボロ。見せられたもんじゃない。
配線が切れそうな部分はホットボンドで固定。結束バンドで配線をまとめると便利。
自分はカットした厚紙や段ボールを何枚も張り合わせて基板とケースの間に入れて絶縁に使用している。基板はホットボンドで厚紙などに固定している。
固定の前にもう一度音が出るか確認することを勧める。固定後にトラブルを見つけると厄介。

 

完成。

出音良し、外観良し、内側汚い
音色

音はこんな感じ。
改造したOD-3 + 今回作成したフェイザー


なかなか大変だった。
出音には満足してる。達成感が大きい。

ARION製 STEREO PHASER (SPH-1) 自作の記録2

ARION製のフェイザー、SPH-1製作記録の続き

前回までの内容
 ①部品の調達
 ②FETの選別

film-filament.hatenablog.com

③回路解析とレイアウト作成、基板作成

まずはネットで見つけた回路図を確かめる作業を行った。
製品を分解して実装面とパターン面を撮影し、画像編集ソフト上で左右反転させたパターン面の写真と実装面の写真を重ねあわせてフェーダーで透過具合を調整しながら部品の接続状態を解析した。
スキャナを使うのもいいかもしれない。

初めてこういう解析をやったのだけれど、この時点ではネットで見つけた回路図の間違いに気づけていなかった……。

ネットで見つけたレイアウトはこの回路図をもとにまた別の人が作ったもので、また別の間違いがあったけれどこの時点ではこれにも気づかなかった……。というのも、このレイアウトを作成した人はモディファイしたものについて回路を書き直し、レイアウトを作成していたので、それに伴う抜け落ちが生じていた。

 

レイアウト


以下に載せるレイアウトは、修正を反映した最終的なものなので実際に自分が作ったものとは違う。
あと、これはあくまでもSPH-1風のフェイザーであり、似ているものにしかならないということを念のため言っておく。

とりあえずIC、FET、5.1Vツェナーダイオードはソケットに挿して交換できるようにしておいた方がいい。
その他のソケット化した方がいい部分やモディファイについては次の記事でレイアウトと共に記述する。

もし間違いに気づいた方がいたら教えていただきたい。 

抵抗とコンデンサについては製品と同じ定数。
電源電圧の降下を招く抵抗は除去してある。
2SK30Aは足が交差するので注意。
黒色灰色の正円はRate、Depth、Resonanceの接続部分。
Wire1~6はそれぞれ同じ色の楕円の部分同士を接続するという意味。
  ・Wire1→緑色の楕円同士を接続(アース)
  ・Wire2→水色の楕円同士を接続
  ・Wire3→ピンク色の楕円同士を接続
  ・Wire4→赤色の楕円同士を接続(電源)
  ・Wire5→黄緑色の楕円同士を接続
  ・Wire6→オレンジ色の楕円同士を接続

電解コンデンサを統一したかったけど間違えてバラバラになってしまった。

 

④ケースの加工とジャック・スイッチの配線

スイッチなどの配置を見積もって、

ケースに穴を開けてスイッチとジャックを配線し、可変抵抗も仮留め。

この時点ではスイッチの配線1本と保護用整流ダイオードの設置を忘れている。

小型の可変抵抗の足は結構折れやすいので小さくカットした余った基板にはんだ付けしている。

今回ケースは無塗装。IN,OUT,DCのジャックはトップに。スイッチは左側に寄せた。
INPUTジャックとOUTPUTジャックは両方ともモノラルジャックにした。
9V電池を使用せずにDCジャックからの給電のみの仕様となると、INPUTにステレオジャックを使用するメリットってあるのだろうか。。。

ここでジャック類とスイッチにトゥルーバイパス配線をしてスルー音が鳴ることを確認。
LEDはエフェクトのスピードに合わせて点滅する仕様にするのでここでは配線していない。

可変抵抗やジャックの位置が決まったので各配線の長さを決め基板にはんだ付け。

この時点では間違ったレイアウトで作成しているので参考にしないように。。。

⑤テストとトラブルシューティング

基板のテストには自作のテストボックスを使用している。

ワニ口クリップで接続するだけで済むので1台作っておくと便利。

IC5(JCR2904D)をソケットに挿して先ずはLEDがRateに合わせて点滅するかを確認。
ちなみに自分はちゃんとアースが取れていなくてダメだった。
ここでネットで見つけたレイアウトの間違いを見つけた。

LEDの点滅がちゃんと確認できたら次はICとFETをすべてソケットに挿して音の確認。
ルーパーで音をずっと流して基板上の可変抵抗をちょっとづつ回しながらエフェクトが一番深くなるところを探った。
自分の場合はフェイザーの効果は得られるものの、Resonance(フィードバック)が全然効かないという症状が認められた。認めたくなかったけれど。
FETを抜き挿しして音の変化を確認してみたところ、どうやらFET2個分しか働いていないようで。

本来このARION製SPH-1は位相シフト回路が4つある(FET1個につき1回路)の4段フェイザーなんだけど、これじゃ2段フェイザーじゃん。しっかりフェイザーの効果は得られているけど。この時点ではフィードバック回路の部分(IC2とQ2)周辺に問題があることは推測できたけど何が間違っているか分からなかった。

こいつについてずっと考えていても頭が痛くなりそうだったので、手掛かりを得るために情報がたくさんありそうなMXR Phase90の回路を参考にしてみることにした。Phase90の回路図やモディファイの情報とネットで見つけたSPH-1の回路図を見比べてみたところ怪しい部分を発見したので、この部分について再度製品を開けてパターンを確かめてみるとやっぱりネットで見つけて参考にしていた回路図が間違っていた。

ざっくり言うと、どうやらフィードバック回路を形成せずにスルーしていたっぽい。Resonance(フィードバック)が全然効かなかったのも納得。
電気回路に詳しい人なら最初に気づきそうな部分だな……と思った。

配線を直したところ無事にResonanceが効くようになり、エグいプクプクサウンドもちゃんと出るようになった。

次は最終的な音の調整とモディファイ。

 








 

ARION製 STEREO PHASER (SPH-1) 自作の記録1

ARION製のフェイザー、SPH-1を自作した。
正確に言うとARIONのSPH-1を基にしたフェイズシフターを自作したので、製作記録を書いていく。

とてもニッチで本当に一部の人しか興味のない内容です。

 

まえがき

凛として時雨好きのギタリストなら大抵持っているこのペダル。自分も1台所有している。
こいつを初めて手にしたのはもうおよそ10年ほど前で、ありがたいことにサークルの先輩からタダも同然に譲ってもらった。
学生時代のバント活動ではSCHECTER製TKモデルのギター(廉価版)とBOSSのギガディレイとこいつを使っていた。
恥ずかしいことに、ろくに楽曲のコピーを行えなかった人間なので時雨のコピーなんて全然やったことはないが、音が好きだったので以来ずっとエフェクターボードに入っていた。

国内の格安メーカーのペダル(しかも製作が難しいモジュレーション系)をわざわざ作ったのは、生産終了品になってしまったという情報を目にしたからである。
(正確には分からない。ARIONのHPのラインナップにはまだ載っている)
EFFECTS LINE UP | Arionアリオン|上野開発センター

新品で売られているのは全然見ないし(他のARION 製ペダルも同様)結構値上がりしている状況。あのサウンドハウスでもARION製ペダルが全然売られていない。中古品を見つけてもう1台買うのもいいかもしれないけど、値上がりしているし、まだ手に入れていない人や必要としている人の手に渡らないのは少し気分が悪い。

自分が所有している1台はまだ問題なく使えるものの、スイッチの感度が少し悪くなってきている。
時々何回かカシャカシャ踏まないとON/OFFの切り替えができない状態である。
もともと直列で繋がずにスイッチャーのループに入れて使用していたのであまり関係はないけど、これ以上調子が悪くなったり壊れてしまうのは嫌だし悲しい。壊れたとしても修理は可能かもしれないけど、このペダルにおいては元々の状態から中身が変わってしまうのは嫌なのでボードから外すことにした。
代替としてLINE6のM9にモデリングされているフェイザーをしばらく使ってみたけれどしっくりこなかった。

ということで代替品を己で作ることにした。

とはいっても自作品なので製品と異なる部分も多い。
というか製品に使用されているFETとICが生産終了品なので代替品を使うしかなかった。
(ARION製ペダルが生産終了になっていたとしたらこれが理由なのでは)

よって、まったく同じものなんてできるわけないので、ここは開き直って自分の使いやすいように仕様を変えた。

製品との違いは以下の通り。
 ・トゥルーバイパス仕様
 ・電池駆動なし。アダプタ駆動のみ
 ・電源アダプタ使用時の電圧降下を改善
 ・ステレオ機能の廃止(アウトプットを1個だけに変更)
 ・RATE(スピード)に合わせてインジケータのLEDが点滅
 ・ネットで見つけたモディファイを盛り込む(一部のパーツの定数変更等)
 ・FETとICを今でも手に入る汎用性のもので代用

インターネットは便利なものなので比較的容易に欲しい情報は見つけやすい。
SNSなんかでも機材好きの情報発信があるのでSPH-1のモディファイを行っている人はちらほら見つかった。
しかし、このペダルの自作につながる情報がほとんど見つからない。一応、回路図とレイアウトは見つかったけれど1件ずつしか見つけられなかった。モディファイや堅牢な別筐体への移植をしている人はちらほら見つかるものの自作してる人はほぼ見ない。自作をほのめかしている人の書き込みをたどってみても完成の情報がない。
めちゃハードル高いじゃんと思ったけど、時間と金をドブに捨てる覚悟と嫌になり趣味をひとつ無くす覚悟をちょっとだけ持ってやってみることにした。

 

①部品の調達

部品は以下の表のとおり

・抵抗

モジュレーション系や空間系を作るときは金属皮膜抵抗を使うのが定番みたいだけど、製品はカーボン被膜抵抗だったので一部を除いて自分もカーボン被膜にした。
(一部に金属皮膜抵抗を使用したのは特にこだわりがあったわけではなく余りものを使っただけ)

コンデンサ

フィルムコンデンサに関しては秋月電子で売ってる1個15円とかの黄色いボックス型のやつなら間違いないと思う。0.0082µF(822)のコンデンサはボックス型のものが見つからなかったのでルビコンの安い銀色のフィルムコンデンサを使った。
セラミックコンデンサに関しては安い円板状のやつで十分。
電解コンデンサに関しては0.1µFのうちの1個、0.22µF、1µF、47µFのうちの1個にニチコンMUSE(緑色の両極性コンデンサ)を、その他にはニチコンのFine Goldを用意しておけば間違いないと思う。47µFはサイズがデカいので、自分は代わりにニチコンのKT(水色のやつ)や東信工業のUTSJ(銀色のやつ)を使用した。
後でも言及するけど、0.1µFのうちの1個(ニチコンMUSE)に関してはフィルムコンデンサにしてもいい。あと、 0.22µFに関してはなかなか見つからないかもしれないので1µFで代用してもいいと思う。

・IC(オペアンプ)

ICは全部で5個必要で、製品ではうち1個にJRC2904D、その他4個にA6458Sが使われている。
JRC2904Dは秋葉原千石電商で入手できた。A6458Sは入手できなかったので汎用のデュアルオペアンプで代用した。これに関しては4558とかTL072が代替品として使える。自分は4580DDを使った。製品には9ピンで足が1列に並んでるやつが使われているけれど8ピンのデュアルオペアンプで問題ない。
(LA6458Sがよく見る8ピンのデュアルオペアンプの形をしてるっぽい)

・FET

製品ではFETに2SK772が使用されているが生産終了品で入手しにくかったため2SK30A-GRで代用した。2SK30A-GRも生産終了品だけどまだ手に入れやすい。
しっかりとしたエフェクトを得るためにはFET4個全ての特性をできるだけ揃えないといけないので、自分は秋葉原千石電商で10個入りのパックを2つ買った。
パックで買えば同一ロット品が揃うような気がしなくもないので多分バラで買うより良いと思う。

②FETの選別

エフェクトのかかりを深くするためにはこの作業が必要。
今回は特性の近いFET4個をピックアップする必要がある。
秋葉原千石電商で買った20個と手持ちの3個を加えた計23個の全てに対しテスターでIdssを測定した。その後、表計算ソフトで数値順にソートし、1~23にナンバリング。
上から4個ずつ(1~4、2~5、3~6、、、20~23)順々に抜き出して各グループの誤差を出した。
誤差の算出はグループ内の最小値と最大値に対して行えば良いのでそんなに時間はかからない。
例えば1~4のグループなら1と4、5~8のグループなら5と8の値に対して算出し、誤差が一番小さいものを選べば良い。
自作本とかネットの情報だと誤差3%以下だとしっかり深くエフェクトがかかるとのこと。
自分の場合は1%以下になるグループが2つほどできた。
Idssがきちんと測定できていたのかは不明だけど、一応自分の作った個体はちゃんと深くエフェクトがかかった。
Idssの測定は
 ・テスターの測定レンジを10~20mAに設定
 ・FETのソースとゲートをショートさせ9V電源のマイナスに接続
 ・9V電源のプラスをテスターのプラスに接続
 ・FETのドレインをテスターのマイナスに接続
 ・テスターに表示された値が安定したら記録
の順に行えばよい。

小さなブレットボードがあると楽に測定できる。

小さなブレットボードがあると楽に測定できる

測定記録はこんな感じ

 

今回はここまで。
とりあえずフェイザーの自作は色んなコストがかかる。



 

令和四年十一月 握力

29歳になった。
前よりもよく風邪をひくようになってしまったけどそこそこ元気でやっている。

最近顔が老けてきて何だかしっくりきている。前より自分の顔が好きになった。白髪も増えた。20歳の頃から前髪の一部に白髪のまとまりがあったんだけど、今は白いメッシュみたいになって少し気に入っている。相変わらず癖の強い髪なので日によって髪型が違うから時々しか良い感じに見えないんだけど。

10年前の19歳の時には髪を脱色して白に近い金のメッシュを入れたり青いメッシュを入れたりしていた。
自分が髪を染めたりしたのはその時だけで以来何もしてない。今は自然と白いメッシュが入るようになった。


29歳の祝いに自宅で馬鹿みたいにデカい肉を焼いて気分が悪くなるほど食べた。
次の日の健康診断で握力の測定をしたんだけど、右手の握力が昨年と比べて12kgぐらい上がっててびっくりした。過去最高記録の握力だった。

看護師のおばさんから「去年は右手に怪我でもしてたんですか?」って聞かれたけど、去年の自分は怪我もしてないし、むしろ頑張ってた。去年が上手く出来ていなかったのか、器具の問題なのか。特にトレーニングもしていないしズルもしていない。

いつもなら利き手の右手よりも左手の方が握力は強いのに今年は結構な差をつけて右の方が強かった。ちなみに左手の握力も右手ほどじゃないけど上がってた。
ワケが分からない。

馬鹿みたいにデカい肉を食べたせいかな。